季節のおすすめ花材「あざみ」

2026 6/10

豊友会たよりvol.15 小原流と花
野趣に富んだ紅紫の花姿
小原流研究院副院長 金森厚至


古くは「あざみの歌」と曲名になるほどポピュラーな花。野あざみに代表され、本州から九州まで広く自生するキク科の植物です。特徴はその葉縁に鋭い刺があることですが、水揚がりが悪く、十分な手当てをしてから用いる必要があります。
近年出回る時季が早くなってきているようですが、作例の写景盛花様式本位(夏の中景描写)では、夏はぜとともに夏の雰囲気を醸し出しています。その他にも写景盛花自然本位・琳派調いけばな・色彩盛花・瓶花・小品花など、多種にわたり用いることができ、季節感を風情豊かに表現するのに最適です。主役というより脇役となることの多い花ですが、その存在感は独特のものがあります。

写景盛花様式本位 中景描写 直立型 『新版 小原流様式集成』より
花/夏はぜ あざみ 山しだ

花産地より【あざみ】
夏の印象がある花材ですが、切り花の推奨時季は4月から6月です。生産者が年々減少しており、今年は4月までほとんど出荷がありませんでした。豊友会では、今ある産地と新規の生産者との提携をすすめ、切れ目なく出荷できるようになることを目指しています。

協同組合豊友会
豊友会は、全国の小原流支部に花材を提供する生花店の協同組合です。 いけばな花材を守るプロジェクトは、豊友会と小原流が協力し、生産が 減少している花材を積極的に利用することで花の生産地を支える取り組みです。季節の対象花材(一部)は、1 杯からご自宅へお届けします。

引用:小原流挿花2026年6月号より