季節のおすすめ花材「河骨」

2025 8/07

涼感そそる夏の盛花
小原流研究院副院長 金森厚至


二世光雲家元による作品で、縞蒲・河骨・睡蓮で盛夏の水辺を表現した写景盛花です。この中で河骨は、今の写景盛花様式本位に通じるような株状の構成で、二株を縞蒲の手前と脇に添えています。
現在の写景盛花様式本位では、河骨は花1本・巻き葉1本、葉5枚を正式な一株として、それを省略して扱うこともあります。水揚げが大変難しい花材ですので、水が下がらないようにいける前に十分に留意することが大切です。
河骨は夏の水辺の風致景観を連想させるのに適した花材です。盛夏にみずみずしくいけるのはもちろん、秋は実を用いて移ろいゆく季節の趣を情感豊かにいけることもできます。

夏の盛花 小原光雲『小原流盛花瓶華傑作選集』より
花/ 縞蒲(しまがま) 河骨 睡蓮(すいれん)
器/ 均窯長角水盤

花産地より:河骨
天候不順や猛暑の心配もある中、今年も無事に河骨を出荷しています。豊友会では花1本、巻き葉1本、葉5枚の一株、花2本、巻き葉2本、葉8枚の二株に加え、晩夏から秋の表現ができる実が入ったセットを提供しています。9月までご注文可能です。
千葉県君津市で河骨の生産をする高橋伸行さん

いけばな花材を守るプロジェクトとは
豊友会と小原流が協力し、生産が減少している花材を積極的に利用することで、花の産地を支える取り組みです。

引用:小原流挿花2025年7月号より