季節のおすすめ花材「松」

2025 12/13

大海原に眺める松の風格
小原流研究院 副院長 金森厚至


海浜の凛とした松の風格ある姿を表現した、二世光雲家元の作品です。
松の大樹を思わせるには、非常に高度な花材の見つめ方が必要とされます。この作品も、余分な小枝や葉の整理を十分に行い、その枝姿により構成し、力強い幹をはっきりと見せています。
作品には藪柑子が添えられているので、冬の景観となります。海浜の松を意識し、冬ではあるものの日蔭の量を少なくして水面をたっぷりと見せることで、大海原を連想させています。

冬の盛花 小原光雲『小原流盛花瓶華傑作選集』より
花/小松 藪柑子 日蔭蔓器/戸部白水盤

花産地より八竜松(小松)
近年は、山採りの自然の枝松が少なくなっています。豊友会では安定した供給を行うために、秋田県の生産地と提携した松を「八竜松」と名付けて取扱いをしています(「小松」という名称で提供している会員店もあります)。葉の締まり具合、枝ぶりやサイズ感も好評です。お正月用の取合せに、ぜひご利用ください。

協同組合豊友会
豊友会は、全国の小原流支部に花材を提供する生花店の協同組合です。 いけばな花材を守るプロジェクトは、豊友会と小原流が協力し、生産が 減少している花材を積極的に利用することで花の生産地を支える取り組みです。季節の対象花材(一部)は、1 杯からご自宅へお届けします。

引用:小原流挿花2025年12月号より